何故今、イスラエルなのか?
イスラルの国土は日本の四国程度です。その60%は不毛の地といわれる「荒野」と「砂漠」が続いています。
経済重視の各国では緑が減少していくことを理解していながらも緑化には力を注いではいません。しかし、イスラエルでは長年(約30年)の砂漠研究が進み、今日現在その成果が実りつつあります。
砂漠研究には民間やNPOやNGO団体が進めていることはよく耳にしますが、国家をあげて砂漠開発に取り組んで成功に導いている国はイスラエルだけといっていいでしょう。
実績のある機関への協力
KKL-JNF( Jewish national fund:イスラエル緑化基金-ユダヤ国民基金)は、エネルギー問題や環境問題など多くの実績があります。
例えば、実際に緑を増やすこととしては、オリーブの木を植樹すること。
KKL-JNFは、1901年以降2億4000万本以上の木を植えました。
また豊富な太陽エネルギーとネゲブ砂漠とアラバ渓谷の地下に見つかった地下水を利用した養魚場、その地下熱を使ったオリーブの栽培などがあります。
またアメリカのカリフォルニア州にあるモジェブ砂漠で稼動中の世界最大の太陽光発電所には、20年程前にSolel Solar Systems 社(旧Luz社…イスラエル)※が建設しています。
※ソーラーテクノロジーの分野で最も知名度の高い企業
http://www.kkl.org.il/kkl/kklmain_brown_eng.aspx/
KKLのWEBサイトより動画を見ることができます。 ≫動画を見る
※視聴するにはWindows Media Player が必要です。
ネゲブ砂漠に太陽エネルギー発電所
イスラエルの国家産業基盤省は、ネゲブ砂漠のアシャリム(Ashalim)に太陽光発電所を建設することを国際入札を2005年2月に発表しています。この発電所は5万世帯、20万人を対象にした100MW(メガワット)を発電し、最終的にはネゲブ地域をカバーする500MWの発電計画をしています。最終段階での500MWは、現在の全発電能力の5%になります。これは太陽エネルギー応用の発電所としては世界最大級である。
(引用:砂漠の預言者ベングリオン 大西俊明/著)
このようにイスラエルの国家プロジェクトですすめている砂漠緑化計画は、全世界の砂漠に悩む国々に明るい兆しを与えていることがわかります。
GREEN AGE! PROJECTは、土にかえる紙おしぼりを通して、砂漠緑化計画の取り組みに賛同し、協力したいと考えております。
下記はJNFのYoutubeサイトがございますので、ご覧ください。
JNF(Jewish National Fund) YouTube Video
イスラエル緑化基金(Keren Kayemeth LeIsrael)について
KKL(ケレン カイェメット レイスラエル)とは?
KKLは K eren K ayemeth L eIsrael の略で、ユダヤ国民基金(JNF=Jewish National Fund)の 中で、特に森林を生み出すこと、その為の植樹推進を活動の中心とする組織で1901年創設されました。
1901年以降2億4000万本以上が植えられています。
当初、イスラエルの地は1900年間に渡って、異邦人の手に渡されてきたため荒れ放題だったそうです。
イスラエル入植者たちは、土地を買い取りその手で、荒れた大地を耕してきました。
その目標の一つは聖書時代の森や林を回復しようとする運動があります。アジアで日本と同様に植樹をする習慣のある民族です。毎年イスラエル国家を挙げて苗木を植樹しています。
7年に一度お休みする植樹
また、7年に一度その土地の土を休ませるために、その年(2008年はその年に当たります)は植樹をしないという取り決めもあり、ただむやみに植樹をするのではないことがわかります。土と緑と共存しているイスラエルならではの発想ではないでしょうか。
植樹を世界で初めて行ったのはユダヤ人
世界で最初に植林を行った人はユダヤ民族の父祖アブラハムであることをご存知ですか?
意外と知られていない事実です。
発展するネゲブ地方
イスラエルの国土の60%は、岩がゴツゴツとした乾燥地域で「荒野」とよばれています。
ネゲブ地方の年間平均降雨量はわずか200ミリ程度。いわゆる荒野と砂漠が続いていて、土壌も粘土質のため雨期には突然ワジ(涸れ谷)があらわれ洪水を起こします。雨水は土に沁みこまず、地面を流れるだけで貴重な水が海になだれ出てしまいます。
人間が手を加えなければ、とどまることもありません。(引用:砂漠の預言者ベングリオン 大西俊明/著)
『この土地の開拓なしにイスラエルの未来はない』と訴えたのが、初代首相のダビッド・ベングリオンです。
1953年末に自ら首相を辞任してからネゲブのキブツ(農業共同体)があるスデー・ボケルに移り住んで開拓を始めました。
スデー・ボケルで永遠に眠りにつくまで、砂漠に打ち勝つイスラエルを夢見て活動をつづけました。
その意志をついで、現在も若者から老人にいたるまでネゲブの開発は進んでいます。
彼の功績を称え、ベエル・シェバのベングリオン大学には約1万7000名の生徒が勉学に励んでいます。
ベッソール研究所
近年は南のネゲブ砂漠でオリーブの苗木を植えたり、逆転の発想で砂漠で魚の養殖をしたりと砂漠の開発が進んでまいりました。中でも有名なのがベッソール研究所です。
ネゲブ砂漠にあるベッソールには、突如、巨大な貯水池が現れます。
ベッソール貯水場です。
この中で最大のものは広さ30ヘクタール、容量450万立方メートル、周囲は3kmにおよびます。
東京ドーム約3〜4個分に相当するというから驚きです。これが砂漠のど真ん中に存在するのです。
内部は厚さ約5mmの高密度ポリエチレンを張り巡らせています。(蒸発量を減らすため)
最大満水時には約17mにもなります。
魚の数をコンピュータで制御
藻が発生しパイプが詰まるのを避けるために、3層に分かれて別の魚を放しているそうです。増殖しないようにオスのみ約10万匹を放流し、突然変異で増える場合はどこからともなくペリカンの群れを連れてきて、間引きさせるという最先端のコンピュータシステムを使用しながらも、アナログを忘れないところがイスラエルらしいですね。
KKLのWEBサイトより動画を見ることができます。 ≫動画を見る
※視聴するにはWindows Media Player が必要です。
灼熱の砂漠に養魚場
近年、水色のビニールで覆われたD型ハウスが出現していますが、養魚場です。
灼熱の太陽の下で水を確保するのは並大抵でははいと考えますが、ネゲブのスデー・ボケル近辺の地下と東部のアラバ渓谷(Araba Valley)に20年前に地下水が発見されました。
この地下水は約2万年前のもので、現在はそこから地下水を汲み上げています。
塩分が高いため、養魚できる魚を選択するのに各種の実証実験が行なわれたそうです。その結果、ティラピア(アフリカ産カワスズメ)が選ばれました。
この魚は生育が早く、地下水は暖かいので半年もすると500グラム〜700グラムの大きさまで育ちます。現在は鯉や様々な魚が育てられています。
イスラルの魚類の消費量は2003年で7万トン。
国内の魚が4割で、輸入が6割(ノルウェー、ケニア、アンルゼンチンなど)。この養魚場の生産量は国内生産分の7割にのぼり2003年で1万9000トンになります。砂漠での養魚場で国内生産をまかなっているのにも逆転の発想が成せる技だと思います。
ネゲブ砂漠で養魚場をつくるメリット
1)塩分を含む地下水を使うことができる。ビニールのハウスで一年中最適な温度が保てる。
2)地熱による暖かい水を年中使用できる。
3)風や砂、または動物から隔離されるので水が汚染されにくい。
4)土地代が安く、経済的で環境にやさしい。
5)季節外れの収穫が可能、高価格で販売ができる。
6)短い期間で成長し、生存率も高い。
民間企業であるマシャベー・サデー養魚場の担当者はこう語っています。
「ここでは全てコンピュータで管理し5人だけでやっている。全部で25棟、半年で32,000匹/棟を出荷しています。事業採算に合っている。池の深さは4m、最初は39℃の高温の地下水を22〜26℃に下げる。地下水の熱はエネルギー源としても利用している。地下水は塩分が高いので脱塩し養魚用と共に、オリーブ栽培の灌漑(かんがい)用にも利用している。
稚魚は別のところで育て、ある程度育ってきたものを、養魚場に放つ。数ヶ月後成長し成魚になると、水路の壁の上部に四角に切り抜かれた穴に、自分から飛び込んで行き、気が付いたら(実際は気が付く暇もないが)瞬間冷凍されている。
水の深さによって養魚される魚が違う。ティラピアは上層部、ピーターフィッシュは中層部、鯉は最下層で育つ」とのことです。